[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
通読するべき良書を紹介します
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
はじめにこの本を読むときの注意点が3つあります。
第一に、上下巻両方を揃えてから読み始めるということです。
次に、翌朝忙しい人は寝る前に読んではいけません。
最後に、読み終えた後にぼうっとするための時間を30分ほど用意してください。
ここまで書けばこれ以上は蛇足ですが、この本は一気読みを強制されるタイプの本です。
読み始めたらこの本に吸い取られてしまって抜け出すのが困難な状況になることは必至でしょう。
スネイプの憂いの篩に飛び込んだハリー・ポッターのように。
ハイズマン・レポート。
それは人類滅亡の可能性をまとめたシナリオ群である。
その第五の可能性を巡る物語。
傭兵によるコンゴでの秘密作戦・父を亡くした東京の薬学部の大学院生・ホワイトハウスでの会議という一見バラバラな3つの舞台を交互に描いて話は展開していく。
人類の存亡を懸けるというスケールの壮大さと隙のない理論の緻密さが同居するという設計図の時点で十分にクオリティの高い作品である。
それに加えて、
アフリカでの追っ手から逃げるアクションシーンにも
新薬の開発への焦りにも
思い通りにならなくて苛立つホワイトハウスの様子も
ひとつひとつの情景に、読む手を止めさせない緊迫感が宿っている。
作品を貫くこの緊迫感に読者は心地よく酔いしれることになる。
読み終わってからも本に囚われたまま現実に戻って来れなくなりそうな不安さえ覚える
そんな強烈な読書体験ができる強力な一冊です。
ぜひ注意事項をも守ってお楽しみください。
最後に既に読んだ人向けの文章を。
ネタバレを含みますので読んでない人は続きを読まないでください。