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クライマックスじゃないのに泣く 「本日は、お日柄もよく」原田マハ

密かに好きだった幼馴染の厚志の結婚式に出たらスピーチがクソつまらなくてスープ皿に顔面からダイブする。
そんな最悪な気分だったが、伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞に感動のあまり泣いてしまう。
そして親友の千華の結婚式でスピーチを頼まれたことをきっかけに久遠久美に弟子入りし、最終的には選挙戦で売れっ子スピーチライター「わだかま」こと和田日間足と厚志の当選を賭けて闘う。

こういうあらすじなのですが、事あるごとに出てくるスピーチが本当に熱い。
小説の盛り上がりどころと関係ないところで、演説に心を動かされて涙腺を引き締めるのに必至でした。
それから「わだかま」の扱いが憎いですね(いい意味で)。
ピリッとさせるいいアクセントになっています。

主人公の身の回りに言葉に対する感性の優れた人が集まりすぎるという意味で設定が良すぎるきらいはありますが、言葉の持つパワーを存分に浴びれる一冊です。

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)


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