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魅力的な文章とは 「人を動かす文章術」齋藤孝

文章の魅力とは物理でいうところの仕事Wである。

物理の仕事の復習

仕事Wは力をF、その力によって動いた距離をとすると
W=F(”・”はベクトルの内積を表す)

※上の図は「わかりやすい高校物理の部屋」さんの仕事の原理というページから引用しました。

例えば上の図で言うと、斜面の場合は F=msinθ s=h/sinθ(Fと同じ向き)
なので仕事は W=mh となる。(これは真っ直ぐ引き上げた場合も同じ値になる)

なぜこれが文章の魅力と同じなのか

齋藤孝さんはエッセイを書くときに、まずはネタを出して、それを整理するという下準備をします。
そして、いよいよ書き始める時に最初にすることは

「最後の文章を決める」こと

なのです。
そしてタイトルというスタート地点を決め、三段構えの論法で最初に定めたゴールに着地させる。
これでエッセイの一丁上がりというわけである。

この時に大事なのは
①凡庸でない結論をゴールにすること
②オリジナルであること
③三段構えの論法は多少強引でよい

の三点だ。
最後のオリジナル(個性)について、アイデアのつなげ方における個性を

本来、はまらないものを無理やりはめ込もうとするわけですから、そこには摩擦が生じるわけです

と齋藤孝さんは言っています。

つまり、物理の仕事の概念で魅力的なエッセイの条件を言い換えると
①高いところまで持ち上げること
②持ち上げにくい斜面で持ち上げること
③頑張って引っ張りなさい
となって、二つの概念が結びつきました。

結論:「魅力的な文章は物理でいう仕事Wの量が大きい」

小説への応用

大沢在昌は「売れる小説家の全技術」で
<いい小説は主人公を苛める小説である>
というような内容を語っていた。
その心は追い込まれた主人公が成長して壁を乗り越えるところに小説の魅力が生まれるということにある。
つまり小説のある種の魅力は仕事理論で説明できるのだ。

まとめ

今回は「人を動かす文章術」に沿って記事を作ってみました。
文章を練れていないことを告白するようで心苦しいのですが、質量mに相当する概念が
エッセイの魅力でいうと何であるかということが言えるともう一歩踏み込んだ文章になると思われます。
この記事ではエッセイ部分しか紹介していませんが、ビジネス書や就活の際の自己PR文の書き方なども取り上げられています。

誰も教えてくれない人を動かす文章術 (講談社現代新書)


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