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通読するべき良書を紹介します
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自費出版ビジネス。
新人賞に落選した駄作の山の中から、一応文章になってるまだましな駄作を選ぶ。
そして作者に電話をかけ、あと一歩で落選したとかなんとか言う。
私としてはこの傑作を世に出したい。
しかし、賞をとってないこの作品を世に出すことは採算的に厳しいのだ。
でもあと百数十万円あれば出せる。
十万部売れれば、印税がその費用を上回って収入になる等々。
結局、牛河原は悪人なのか善人なのか?
どちらのだろうか?
小説とは(特にエンターテイメントの分野では)
善人に優しく、悪人に厳しい世界が構築される。
心優しい主人公に対しては最後にかならず光が差す。
憎き敵役は実は主人公と同じ側だったとなるか、とっちめられるかとなりがちである。
そういう分類で言うと、最後の小エピソードが暗示するところは
牛河原が善人であるということだ。
しかし本当にこんなビジネスを良心の呵責も感じずに遂行していく人物が
善人であって良いのだろうか?
マッチポンプもいいところなのだが、問の立て方が悪かったというのが結論だろう。
つまり牛河原をはかるのに善悪というものさしはふさわしくなかったのだ。
善悪では何も計れないとは思わない。
しかし善悪では計れない成分がこの人物を特徴付けているから意味が薄いのだ。
一言で言うとこの男は一人のプロフェッショナルである。