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爆笑系旅エッセイ 「ガンジス河でバタフライ」たかのてるこ

ガンジス河でバタフライ (幻冬舎文庫)


旅好きの兄に憧れて、自分も大学生になったら旅行をしようと思っていた。
だけど自分は英語もろくに話せないし。。。
そんな時に帰省すると、おかんが腹話術を始めていた。
50歳を超えたおかんでも新しいことに挑戦できるんだ!
よし、私も旅に出よう!!


行くと決めたら一番早い便を予約するも、一人旅なんてしたら死んでしまうのでは?と急に怖くなってくる。
友達に電話すると更に怖いエピソードを聞かされてますます恐ろしくなる。
でももうキャンセルができない。だから行くしかない!
こんな感じで著者の初めての旅は始まります。

しかし、ブログに書くとくどくどしいこのくだり、なんと全てフリ!!
旅行をしている彼女の属性は女子大生というよりは大阪人。
最初の旅行地香港では「一番」と胸に大きくプリントされたTシャツを着て
アイム ナンバーワン コメディアーーーン
と叫びながら市場を回り、
中国語しか分からない現地の人と互いに「good」しか使わない会話で通じあったり、
シンガポールでマレーシアにも行くべきだと言われたら、翌日にはマレーシア行きのバスの中にいたり、
帰りの飛行機を寝坊で間一髪のところで逃しても
大声で偉い人を呼べと喚いてなんとか次の日の切符を融通してもらったり、
行き当たりばったりで突進していく爆笑エッセイというのが本書の表の顔なのです。

現地の人、あるいは同じ旅行者との出会いを大切にしたいと思っているからでしょう
著者はどこに行ってもいい縁を見つけ、愛されながら旅行します。
この本の魅力は、爆笑旅エピソードという表の顔だけでなく
著者がそのとき感じたことを実感のこもった言葉で語るときに
読んでいる自分の何かが崩される、そんな時折見せる裏の顔にもあると思います。

最後になりますが、一通り概要を。
香港・シンガポール・マレーシアに行ったアジア編とガンジス河でバタフライしたインド編と2回分の旅行記になっています。
旅先で出会った人との写真が何枚も挿入されているのですが、みんな笑顔が素敵で旅行の楽しさが伝わるような写真でした。

結論:
旅行には行きたくなる。
しかし自分には著者のような大阪人の遺伝子が足りない。。。


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