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通読するべき良書を紹介します
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作曲には、論理的思考と感覚的なひらめきを要する。(中略)
感性の九五%くらいは、じつはこれ(論理的思考)なのではないだろうか。(中略)
(だが、)肝心な要素は残りの五パーセントの中にある。
※()内はブログ主が補いました。
なんとまともな文章でしょうか!?
ジブリなどの映画音楽で有名な作曲家久石譲がクリエイティビティについて
手ほどきしてくれている本書ですが、極めてまともです!
全ては蓄積から始まるけれど、最後の最後は直感=腑に落ちることで確信に変わる。
などその道を極めた人の実感がこもった含蓄に溢れる言葉が満載なのですが、
この本の特徴は芸術に携わる人の話なのに半端なくまともなことです。
芸術家の本はすぐには岡本太郎さんくらいしか思い出せませんが、
『自分の中に毒を持て』はすごいパワフルで突き抜けている印象的な本でした。
それに比べて、久石譲さんは将棋の羽生善治さんの新書のような安定感があります。
それは著者が自分の決めた道を邁進する芸術家ではなく、
社会の一員として求められているものを作ろうとするスタンスの音楽家だからかもしれない。
自分の感じている真実を、論理的に例や経験で補足しながら説明する。
なんてまともなんだろうか!!
それでも書いている人が一流の感性の持ち主だし、
映画音楽という知らない世界の話題だから読んでいて飽きない。
そろそろまともって言いたいだけみたいな空気になってくるので控えようと思いますが、
これだけ普通に、意味のあることが書けるというのはすごいことだと感心します。
一芸に秀でる人のみが持つ感性とそれを支える頑丈な知性が感じられるハイクオリティな一冊でした。